重要

探偵としての判断〜少しドラマっぽくて好き〜新米探偵はマネしちゃダメよ♪

これは数年前の案件をちょぴっとだけ脚色したフィクションです。

依頼はある大きめな企業の役員の方からでした。

対象者は違う部署の女性社員。主旨は背任横領の可能性があるので調査をお願いしたいとの事だった。

ここでまず違和感

確かにその女性が背任横領(金員じゃない)を出来るポジションにあり、動機(十分なメリット)もある。話の筋は通っている。
しかし、その役員の人物から依頼がある事は不自然である。そして、目に個人的な感情が…これは探偵を長年やっていれば解る感覚的なものだ。

調査初回。

職場から出た対象者を追うと、男性と接触し、食事のあとホテルへ。3時間後にホテルから出ると、そのまま分かれて帰宅した。

その日の報告を口頭ですると、個人的な感情のバロメーターが少し上がったのは電話口からでも解った。

ん?この案件…ヤバいか??

二回目の調査。

同じように職場から出た対象者は、前回の男性と接触し、海岸沿いのオシャレなレストランで食事をしたあとに、並びのバーで飲んだあとにホテルへ。その日は宿泊し、朝のチェックアウトの後に分かれて帰宅した。

その日の報告をすると、さらに個人的な感情のバロメーターは上がり、私の中で案件中断の警鐘が鳴った。

三回目の調査。

私は対象女性に声を掛けた。
ひと通り説明すると、序盤で全てを悟った表情になっていた。

その人、他の部署の女性社員にもパワハラとセクハラが凄くて、逆らって退職まで追い込まれた女性もいて、どうする事も出来ないんです…

なるほど。

私は依頼者と連絡を取り、言葉巧みに調査を終了の方向に持って行き、報告書(物的証拠)を引き渡さない方向で納得させた。(だって背任横領の証拠は皆無だったしね。)

 

それから2ヶ月ほど経過したある日、オフィスの電話が鳴った。

相手は弁護士。

◯◯様(対象女性)の件でご確認させて頂きたい事がございまして、もしよろしければお伺いさせて頂きたいのですが。

まぁ簡単に言うと、依頼者が集団訴訟され、その有力な証拠として調査委任契約書や調査報告書が必要との事であった。

そして、最後に

鈴木所長のご判断が被害女性達を救う最大の功績になりました。本当に素晴らしいご判断でした。

と光栄な賛辞を受けてこのケースは幕を閉じた。

悪徳探偵は、浮気の証拠をダシに対象者にもコンタクトを取り「証拠を妻(依頼者)に報告して欲しくなければ…」と恐喝まがいの事をするらしいが、私が対象者にコンタクトを取ったのは後にも先にもこの1件だけだった。

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